東京・谷中にある坐禅(座禅)道場・擇木(たくぼく)道場。啄木道場ではありません。
明治時代に山岡鉄舟、中江兆民らが中心となって設立した臨済宗系の座禅道場で、現在は社会人や学生の為に会社帰りや休みの日等に座禅を組める場を提供している道場です。臨済宗円覚寺派の法系を継いでいるようですが、お寺ではありません。
横浜鶴見の曹洞宗大本山・総持寺で座禅を組んでから、座禅の気持ちよさを知った私。
東京で座禅を組めるところはないかなと探していてネットで「擇木道場」を知り、毎週金曜夜21:00から行われている「東京で夜一番遅い座禅会」(初めての方は20:30までに集合)に参加してきました。
下リンクは公式HPへのリンクです!
場所はJR日暮里駅から徒歩5分。駅からすぐ近くです。
下の画像は近くにある天台宗の寺院・天王寺の境内の桜。
天王寺の釈迦如来像。ライトアップされていました。
擇木(たくぼく)道場内にあるわけではありません。
行く途中にある谷中霊園。正直、ちょっとビビった!
道案内の看板。東京の社会人や学生に坐禅する場を提供しているとのこと。
汚さが怪しげな道案内の看板。山岡鉄舟が設立した歴史ある禅道場と知っていたのですが、万が一怪しげな団体であったらすぐ逃げ出せるように心の準備だけはしておきました(笑)。
ここが擇木(たくぼく)道場。一見普通の民家のようにも見えますが、100年の歴史を持つ、中は純然とした坐禅道場です。金曜夜ということもあってか現役バリバリの社会人や学生等の若い人ばかりでした。
ここの道場は「人間禅」を標榜しており、禅や座禅を社会生活、実社会に、活かしていこう、前向きに生きていこうという考え方のようで、宗教色を薄めてはいるものの至って真面目な座禅会でした。
ちなみに私はスーツ姿のまま座禅!
臨済宗系の座禅ということで、曹洞宗の壁を正面に向いた座禅とは異なり対座して座禅を行います。また、これまた曹洞宗の座禅とは違い、座禅中は数息観(呼吸しながら数を数える方法)で座禅する方法を教えて頂きました。
座禅を組んだ後、老師を交えて懇談会みたいなものがあったのですが、皆さんそれぞれの動機で座禅を行い、真摯に生きようとしている方ばかりでしたので、私も背筋を伸ばさなければと思った次第です。
正直なところ、自分には総持寺で経験した壁を正面に座る(面壁)、そして数息観をしない曹洞宗の座禅(只管打坐形式?)のほうが個人的には座禅に集中できる気がしています。
でも、金曜夜の遅い時間に初心者が気軽に安心して参加できる座禅会の場として、多くの人にお勧め出来る禅道場だと思いました。(21:00に間に合わなくても、途中からでも参加できます。お寺では有り得ない柔軟さ)
「葬式仏教」などと揶揄されるなど日本仏教の堕落・退廃が叫ばれて久しい現在、正式な宗教としての仏教とは一線を画し、禅の効用を直接的に実社会、生き方に反映させようとする考え方は共感できるものです。
私も週末を中心に今後も断続的に参加していきたいと思っています。