父さんへ
世界から猫が消えたなら、
この世界はどうかわるのだろうか。
世界から僕が消えたなら、
いったい誰が悲しんでくれるだろうか。
世界から僕が消えたなら、
叶えられなかった夢や想い、
生きている間にできなかったこと、
やり残したこと、
後悔がきっとたくさん残るだろう。
だけど、
僕がいた世界といなくなった世界は
きっと違うはずだと信じたい。
本当に小さな小さな違いかもしれない。
でも、それこそが
僕が生きてきた証。
もがいて、
悩んで、
生きてきた証。
(ラストシーン)
出産を終えた母親が家に帰ってきて、
それを迎える父親。
母「ただいま」
父「おう」
母「全然来てくれないんだから…」
母「ほらっ!(赤ちゃんを見せて)」
父「………ありがとう」
母「えっ?」
父「生まれてきてくれて、…ありがとう」