寺社御朱印愛好家激推し!ベストセレクション寺社50!
多数の神社仏閣を巡拝し、和多くの御朱印をいただいてきた寺社御朱印愛好家が、これまでに参拝した寺社のなかでも特にオススメしたい絶対的激推し寺社をご紹介していきます!
荘重なる境内!平将門の娘が父を想い弔うために建立した國王神社(茨城県坂東市)
【歴史】
國王神社は、日本三大怨霊の一人でもある平将門の三女・如蔵尼が、父の最期の地に庵を建てたことにはじまるとされる古社で、父・将門の三十三回忌にあたって、一刀三礼(ひと彫りごとに三度礼拝して彫ること)して刻んだ「寄木造 平将門木像」(茨城県指定文化財)の霊像を御神体としています。
新皇を名乗った平将門は、天慶三年(西暦940年)に藤原秀郷・平貞盛連合軍との戦いの最中、流れ矢に当たって落命したとされていますが、『神社分限帳』には“平将門が討たれた所にその霊を祀った”と記述があることから、「平将門終焉の地」の有力な候補が、この國王神社境内であるとされています。また、地元の別の言い伝えでは、首を討ち取られた将門の身体は馬に乗せられ、後に國王神社となるこの場所に辿り着いたとも伝えられています。
それから歳月は流れ、あるとき奥州・慧日寺で尼僧となっていた三女・如蔵尼がこの地を訪ねてきたといいます。村人たちはこの尼僧が将門の娘だと分かると、将門が辿り着いた最期の地である現在の國王神社の場所へと導きました。そして、如蔵尼はこの場所で、大木に一刀三礼しつつ父の霊像を刻み、その後、父・将門の三十三回忌に祠を建て「将門大明神」として祀ったのです。以後、関東民衆の英雄として崇拝され続ける平将門を、千年以上にわたり御祭神として祀る全国でも特異な神社として、現在でも深い信仰を集めています。
【見所・特徴】
決して大きくはない境内ながら、鳥居から拝殿までの雰囲気ある長い直線の参道、県の重要文化財にも指定されている茅葺屋根の社殿が持つ荘重な雰囲気など、境内は神気に満ち溢れています。平将門の紋というと「九曜紋」が有名ですが、國王神社の神紋も九曜紋で、屋根の棟木部分などに複数の九曜紋を見ることができます。九曜紋は星紋の一つで、真ん中の大きい星が太陽、回りの八つの星は太陽系を巡る惑星(月、火星、水星、木星、金星、土星、羅ごう、計都)をかたどっているとされています。
また、本殿に見られる「繋ぎ馬(つなぎうま)」(馬が繋がれている図柄)の彫刻にも注目です。将門の陣幕、旗印にも用いられたとされる見事な「繋ぎ馬」の彫刻を見ることができます。
御祭神の持つイメージと、神社が持つ固有の歴史とが相まって、境内は一種異様ともいえる独特の雰囲気を有しています。(なお、如蔵尼が刻んだという伝説を持つ御神像「寄木造 平将門木像」については、非公開となっています。)
【御朱印について】
國王神社は、普段は社務所が開いておらず、正月三ヶ日と将門まつりの日(毎年十一月第二日曜日)のみに御札やお守り、破魔矢、御朱印などの授与品が頒布されます。授与品をいただくことができるのは、年に四日のみ!とても貴重な授与品となっています(最近になって拝殿前に書置き御朱印が置かれるようになった模様)。
御朱印は、平将門が用いた紋とされる「九曜紋」の押印、「国王神社」の文字が刻まれた社印、「下総・岩井 平将門之郷」の丸みを帯びた印と、「奉拝」、「国王神社」の文字の達筆な墨書から構成されており、シンプルながらも國王神社の独特な歴史と威容を感じさせる御朱印となっています。
【境内画像】