羽田空港の近くに鎮座する穴守稲荷神社(あなもりいなりじんじゃ)は、江戸時代に羽田沖の開拓地を守るために建立された神社。商売繁盛はもちろん、羽田空港が近いことから航空安全・旅行安全の守護神としても有名です。
全国の稲荷神社では、2月最初の午(うま)の日である初午の日に、全国のお稲荷さんの総本宮である伏見稲荷大社に神様が降り立った日とされており、一年で最もお稲荷さんの力が強まる日とされ、多くの参拝者が商売繁盛、家内安全を祈願します。
穴守稲荷神社の初午限定御朱印。


穴守稲荷神社境内




初午の日ならではのお稲荷さんの練り歩き
「必勝稲荷」は、穴守稲荷神社の境内にひっそりと佇む摂社の一つ。この社には、名馬イナリワンの馬主さんと、当時の神社の禰宜(ねぎ)が親しかった縁から、「勝負に特化した必勝を祈願するためのお稲荷さん」として勧請されたのが始まりだそうです。イナリワンの誕生日でもある毎年5月7日には、必勝稲荷の例祭である「必勝稲荷祭」が執り行われ、当日限定でイナリワンの「蹄鉄拓」をデザインにあしらった特別な御朱印が授与されます。


もともと穴守稲荷神社は、現在の羽田空港の敷地内に鎮座していたそうです。大正時代、日本飛行学校のパイロット候補生たちが、初飛行の成功を願ってお供えをしたところ、無事に成功したという逸話が航空安全信仰のルーツ。
戦後、GHQによる空港拡張で神社は現在の場所へ移転しましたが、かつての本殿跡(現在の旧ターミナルビル付近)には空港分社が祀られていました。令和の大改修を機に、空港分社としての由緒を継承し、境内に改めて独立した社を構えたのが現在の「航空稲荷」とのこと。

奥之宮にある「お砂」を持ち帰り、玄関先に撒いたり身につけたりすると願いが叶うという独特の信仰があります。
初午の日限定の御守
神楽殿
境内にはさまざまな摂社が鎮座しています。

「平成三強」の一角として、地方の大井競馬から中央競馬へ乗り込み、オグリキャップやスーパークリークと激闘を繰り広げた競走馬・イナリワン。イナリワンの馬主さんは、穴守稲荷神社の熱心な崇敬者で、穴守稲荷の「イナリ」に、「一番出世してほしい」という願いを込めた「ワン」を組み合わせて『イナリワン』と名付けられたそうです。
社務所内には、イナリワンが制した天皇賞(春)、宝塚記念、有馬記念などの優勝レイ(肩掛け)や、当時の写真、記念品が大切に保管・展示されています。